拍手のお礼文に載せていたものです。学パロ携帯獣!
一応設定簡単に載せておきます。
★マツバ…国語の古典担当教師。24歳。
★ハヤト…1年生。16歳。
★ヒョウタ…1年生。16歳。
★デンジ…3年生。18歳。
実際拍手文に載せていた時とは少し設定変えました;
01.共有時間(マツハヤ)
「…また、いた」
ハヤトがお昼ごはんを食べようと校舎の裏手に来たときのことだった。
この校舎の裏手は周りに木が生い茂っていて少し暗がりになるため人は近寄らない。
しかしそのおかげで1人でのんびりできるため、ハヤトはこの場所を気に入っていた。
暗がりだから太陽の光も多くは届かなくて、涼しくて、心地いい。
生い茂る木にはときどきポッポが止まる。それを眺めるのも好きだった。
だが最近、そこに訪れる者はハヤト1人だけではなくなった。
ハヤトがその場所に通ってからしばらくの後、よく現れるようになった男がいる。
そいつはいつも校舎の壁に背を預け、コンクリートの地面に座って頭の後ろで手を組んで寝ている。
ハヤトにとっては、1人の時間を邪魔されている感じがして何となく嫌だった。
けれどその男にはハヤトは逆らえなかった。
なぜならその男はこの学校の教師の1人だから。
金髪で、紫色のバンダナとマフラーが目印の、古文教師。
そいつは最近よくこの校舎の裏手に現れるのだ。
それは今日も例外ではなかった。
「…先生、マツバ先生」
ハヤトは今日も相変わらず校舎の壁に背を預け寝ている教師、マツバに声をかけた。
そばに寄って2、3度声をかけると、マツバはようやく目を開けた。
「あれ、ハヤト君。そうか、もう昼休みか…」
マツバはそう言って小さなあくびを零した。
「じゃあ、僕もご飯持ってこようかな。買ってくるから待っててね」
そう言い残して、マツバはこの場を去った。
マツバが初めてこの場に現れたときから、彼はハヤトと共に昼休みを過ごした。
ハヤトとしては1人の方が気楽だから断りたいのだが、相手は教師なので逆らいづらい。
だから以前、せめてもの抵抗として理由を尋ねたことがあった。
なぜ、あなたは俺とここにいるのか、と。
マツバも1人になるためにここに来たのなら、ハヤトがここを毎日訪れると分かった時点で他を当たればよさそうなものを。
その問いに、マツバは笑いながらこう答えた。
『何でここに来るかって?僕は君を探してここに来たんだよ』
『え…俺を…?』
『ハヤト君は昼休みに何してるんだろうって思って。君の友達に訊いたらハヤト君はいつもここにいるって言われたから』
『はあ…』
『だからここに来た。ここに来たら、ハヤト君に会えると思って』
ハヤトにはマツバが何で自分に会いに来るのかいまだに分からないままだ。
用事があるわけでもなさそうだ。
でも前からここを訪れていたハヤトは今更別の場所に行く気もなく、マツバとここで共に過ごすことを受け入れつつある。
1人の時間を邪魔されている感じはぬぐえないし、何でこんな所まで自分に会いに来るのか分からないし、良い印象はないけれど。
それでも、マツバがさっきやってたみたいに校舎の壁に背を預け、マツバが戻ってくるまでお昼ごはんを食べるのを座って待つ辺り、ほだされてるなとハヤトは自分でも思うのだった。
終わり。
02.初めて、揺り動かされる(デンヒョウ)
教室の窓際の席で机に肘をついて座りながら、デンジは自分はすき、という言葉に慣れてしまっていたのだ、と思った。
学校の中でも外でも、女の子たちに熱い視線を向けられ可愛い声で褒められ、告白なんてものは幾度あっただろうか。
学園祭で得意のエレキギターを披露してからはさらに女の子に注目された。
今いる教室内だけでも、今デンジがおもむろに目を伏せればそれだけで女の子はデンジに釘付けになる。
そんな毎日に慣れたデンジは、愛の言動にはもう揺らぐことはないんだと信じていた。
だけどそれは簡単に崩れ去った。
デンジは今座っている席から、窓を通して校庭を見下ろした。
校庭にはこの次の時間割が体育だと思われる、紺色のジャージを着た生徒たちがいた。
その中で一際目立つ、暗い赤色の髪をした人を、デンジは眺めた。
その人は今数人の友達と会話している。その表情はとても楽しそうだ。
彼の表情を見て、デンジも自然と笑顔になった。
また女の子たちの視線がデンジに向かう。
「(相変わらず、似合わない)」
ジャージは似合うのに、その色ではその髪には似合わない、とデンジは心の中でおかしそうに呟いた。
1年生である証の赤いジャージは暗い赤色と一緒に在ると目立つだけだ。
「(お前は知らないだろうな)」
デンジは目で語るように、その人を一心に見つめる。
「(慣れていたはずなのに。揺らぐことはないと信じていたのに。お前にすきと伝えたくて、お前にすきと言われたくて、恥ずかしいくらい毎日悩んでいる俺のことなんて)」
自嘲するようにデンジは胸中で語った。
たくさんの愛を受けて、もう自分自身は誰かの愛に関して惑うことはないと思っていたのに。
慣れていたはずの、すきという言葉がどうしても欲しくて。
それをもらえるなら何だってできる覚悟があって。
揺らぐことはないと信じていた愛の言動に迷わされて。
あの人が誰をすきになるだとか、誰にすきと言ったかだとか気になって気になって仕方なくて。
「(こんな風になる俺なんて、初めてだ)」
そんな自分自身が何となく恥ずかしくて、デンジは窓の外から視線を外して机にうつぶせた。
終わり。
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携帯獣にとって第1回目の拍手お礼文でした!
マツハヤとデンヒョウで学パロ。
しばらくは携帯獣の拍手お礼は学パロシリーズしていこうと思いますw
拍手してくれた皆様、ありがとうございました!