いい夫婦!









食堂にて。
六年六忍は、いつものように一緒に昼食をとっていた。
そんな中、文次郎が不意に口を開いた。


「伊作、アレ取って」
「もう、ちょっと手を伸ばせば届くでしょー…はい」


伊作はそう言って、テーブルの真ん中に置いてあった醤油を文次郎に手渡した。


「……え、いさっくん、“アレ”が何か分かるの?」


小平太が、至極不思議そうに尋ねた。他の面々も訝しげに伊作を見ている。


「え、分かるじゃん」
「いや分かんねーよ!」


ケロリと言いのけた伊作に、食満がツッコんだ。
だがみんなの疑問ももっともだった。
この食堂のテーブルには常に箸と醤油と塩と胡椒と七味と爪楊枝が置かれていて、“アレ”だけでは何を取っていいのか見当がつかない。
文次郎は指を指すでもなくただ“アレ”を取れと伊作に言っただけなので、本来ならば“アレ”とは何かを訊くべきだ。
しかし伊作は的確に、文次郎の望むものを手に取って渡した。
以心伝心と言おうか何と言おうか。その光景はまるで。


「いさっくんたち夫婦みたーい!」
「ちょ、何言ってんのこへーた!」
「そうだ!危うく茶ぁ噴くとこだったぞ!」


小平太の陽気な発言に、夫婦と言われた伊作と文次郎は驚き慌てふためいた。


「だってそうじゃーん。普通“アレ”って言われても分かんないよ。何か互いのこと知り尽くしてますって感じ?」
「べ、別にそんなんじゃ…!」
「お、俺はまだ伊作と潮江の交際を認めたわけでは…!」
「交際とか言うんじゃねえ!」
「あ、文次郎照れてるー」
「ああもううっさい!さっさと食えお前ら!!」


顔を真っ赤にした文次郎がそう言うと、はいはいと言いつつ笑う小平太と、まだ納得しきれていない様子の食満は座った。
そんな騒がしい4人をよそに、静かに食事をとる2人。


「まったく毎日飽きないやつらだ…あ、長次、アレ取ってくれ」


仙蔵にそう言われた長次は、これまたテーブルの真ん中に置いてあった塩を仙蔵に渡した。


「すまないな長次」
「ああー!仙ちゃんたちも夫婦だー!」




今日も騒がしいけど、平和です。





END.







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いい夫婦記念!
短いけどネタが浮かばなかったんだごめんなさあああい!!